お久しぶりです、モモタです。
私は現在Big4監査法人に勤務しており、今までに上場企業の監査、パブリックの監査や内部統制対応等の業務を行ってきました。
この記事では、
①税理士ではなく、公認会計士を選択した理由
②今ならどちらを選択するか
私なりの考えを紹介します。
これから税理士、あるいは公認会計士を目指す方にとって参考になれば幸いです。
①公認会計士を選択した理由
私は現在会計士として勤務しているように、税理士ではなく、公認会計士を選択しました。
その理由は大きく下記の3点が挙げられます。
1.公認会計士に合格すると税理士の資格も取れる
2.公認会計士の方が将来の業務の幅が広がる
3.税理士試験の方が難しい
上記理由を順に解説していきます。
1.公認会計士に合格すると税理士の資格も取れる
私が税理士よりも公認会計士を選んだ理由の1つは、「公認会計士になると税理士の資格も取れる」からです。
厳密には、公認会計士の資格を取るだけでなく、*実務補修所の税務の考査で6割以上の点数を取る等の条件はありますが、それでも簡単に税理士にもなれるため、公認会計士を選びました。
*実務補修所:論文式試験合格後に通う、会計士補のための学校のような場所。
2.公認会計士の方が将来の業務の幅が広がる
私が税理士よりも公認会計士を選んだ理由の2つ目は、「公認会計士の方が将来の業務の幅が広がる」からです。
公認会計士のキャリアパスは以下の通りです。
1.監査法人勤務
2.FAS(事業再生/M&A)
3.戦略コンサル
4.外資系/日系金融機関
5.ベンチャーCFO
6.上場会社の監査人/経理・財務部長等
7.PEファンド/ベンチャーキャピタル等
8.税理士法人
9.独立開業
このうち税理士でもなれる職種もありますが、公認会計士の方が断然有利だと考えられます。
その理由は、税理士は税務に特化している一方で、公認会計士は財務諸表全体を見る力を磨くからです。
そのため、税理士よりも公認会計士の方がキャリアが広がると考え、公認会計士を選択しました。
3.税理士試験の方が難しい
私が税理士よりも公認会計士を選んだ理由の2つ目は、「税理士試験の方が難しい」からです。
この点、公認会計士試験と税理士試験の試験制度の簡単な解説を記載します。
公認会計士試験:全科目の平均点/平均偏差値が高い受験者が合格する
税理士試験:科目ごとに点数が6割を超えた受験者が合格する
公認会計士試験は全科目合計で勝負する一方で、税理士試験は1科目ずつ競うことになるという違いがあります。
そして私にとっては、科目ごとに高得点を取る必要がある税理士試験は難しく感じたため、公認会計士試験を選択しました。
また税理士試験の理論については、文言を一言一句丸暗記する必要があり、暗記が苦手な私にとっては不可能に近かったため、税理士試験を受けることは諦めました。
②今なら公認会計士と税理士のどちらを選択するか
私は現在Big4監査法人に勤務している通り、過去に公認会計士の道を選択しました。
ただ今の私だったら、「公認会計士試験を受験し、税理士/FASの道に進む」という選択肢を取ると思います。
公認会計士を選択する理由は先ほど申し上げた理由と変わりません。
一方で、「税理士/FASの道に進む」理由については以下の通りです。
1.監査業務のみでは財務知識が身に付かない
2.顧客の利益に貢献することが出来ない
上記理由を順に解説していきます。
1.監査業務のみでは財務知識が身に付かない
公認会計士の主な仕事は、「監査を実施して、財務諸表が適性ですという意見を言うこと」です。
具体的な仕事は、クライアントの財務諸表の計上金額の根拠資料を見たり、事業部の方にヒアリングしたりすることが主に実施することです。
そのため受験者の方が思い描いている、経営分析や将来予測等はほとんど行いません。
そうしたことから、財務知識を身に付けたいと考えている受験者にとっては、監査業務はおススメできないです。
この点税理士では「納める税金を少なくする」ための財務知識が、FASでは企業分析を通じた財務知識を身に付けることが出来ます。
2.顧客の利益に貢献することが出来ない
先ほども申し上げた通り、公認会計士の仕事は監査を実施することです。
そして監査を行ったとしても、クライアントの利益を上げたり、損失を小さくしたりすることは出来ません。
顧客に対するサービス提供としては、「財務諸表の表示方法が合っているか」や「新しい取引の会計処理が合っているか」という質問に対して、基準に則った方法/処理を提案することくらいです。
そのため積極性があったり、自分の個性を出したりしたい受験者にとっては、監査業務はおススメできません。
この点税理士は「納める税金を少なくする」という顧客の損失を減らすということに貢献でき、FASでは事業再生やM&Aを通じて顧客の利益を大きくするという貢献ができます。
③まとめ
公認会計士と税理士はどちらも財務/会計系のトップクラスの試験です。
そのため受験者の多くもどちらを受験しようか、あるいはどのようなキャリアを進もうか、同じような悩みを抱えています。
そのうえで顧客利益に貢献したい方は、「公認会計士試験突破→税理士/FAS」の進路が一番ベストだと私は考えます。
私のように後悔しながら監査法人に働くことが無いよう、皆様がいいキャリアを進むことを願います。
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