この記事は、社会人受験生である私が公認会計士論文式試験に合格した体験談を紹介しています。
公認会計士論文式試験受験者、社会人で働きながら論文式試験を勉強している方、論文式試験に挑戦している方は是非ご覧ください。
内容は公認会計士論文式試験に合格した私の勉強方法や勉強スケジュールについて具体的に掲載しています。
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1章:公認会計士試験の概要
公認会計士の概要については、下記のサイトで紹介しておりますので、ここでは割愛します。
2章:公認会計士論文式試験に社会人で合格した体験談
以下に私が公認会計士論文式試験に社会人で合格した体験談を紹介します。
私のプロフィール
私は24歳の時に公認会計士論文式試験に合格しました。
大学では経済学を専攻し、卒業後はメーカーで経理の仕事をしていました。
経理の仕事と並行して、公認会計士試験の勉強をしていました。
短答式試験については73.8%で合格しています。
財務:144/200
管理85/100
企業70/100
監査70/100
5月の短答式試験に合格しており、その年の8月の論文式試験は決算処理と会計システムの導入のため受験すらしていません。
*経理の方はこの忙しさが理解できると思います。
そのため私の論文式試験の勉強は9月から翌年の8月本番までと認識して頂ければと思います。
公認会計士試験を目指すきっかけ
私が公認会計士試験を目指すきっかけについては短答式試験の体験談の方に記載ありますので、そちらを見て頂ければと思います。
論文式試験合格勉強方法
以下に公認会計士論文式試験に合格した私の勉強方法をご紹介します。
使用した教材・講義
論文式試験では、短答式試験の時と同様にCPAを予備校として利用していました。
短答式試験の時は他の予備校の教材も多く使用していましたが、論文式試験ではCPAの教材のみ使用していました。
CPAの教材のみ使用していた理由は下記2つの理由です。
・CPAの教材が他の予備校の教材と比べて一番使用しやすかった。
・他の予備校の教材を学習する時間がそもそも無かった。
下記に使用していた教材・講義をご紹介します。
会計学午前
計算:論文対策集、答練
理論:論文対策集、コンパクトサマリー、答練
講義:見ていません
会計学午後
計算:論文対策講義のテキスト、答練、通常テキストの4冊目~6冊目
理論:コンパクトサマリー、論文対策集
講義:通常授業の連結部分のみ視聴(山本先生の授業)
企業法
理論:論文対策集、答練
講義:論文対策講義(平木先生の授業)
監査論
理論:テキスト、答練
講義:論文対策講義(松本先生の授業)
経営学
計算:テキスト、個別問題集、答練
理論:テキスト、個別問題集、答練
講義:通常授業(永田先生の授業)
租税法
計算:テキスト、個別問題集、答練
理論:答練
講義:通常授業(鈴木先生の授業)
CPAでは多くの教材・講義があるため、どれを選択すれば良いかパニックになる方も多くいます。
そのため自分のレベルにあった教材・講義を選択するために、CPAの講師に質問するのも1つの手段だと思います。
1日のスケジュール
平日のスケジュール
私は社会人でしたので、平日は1日4時間ほどの勉強時間を確保するようにしていました。
具体的には①出社前に1時間②昼休みに30分③夕食までに2時間④寝る前に30分は必ず勉強するようにしていました。
具体的な勉強スケジュールは下記の通りです(朱色が勉強時間です)。
休日のスケジュール
平日は仕事をしていて時間が取れなかったので、休日は1日10時間の勉強時間を確保するようにしていました。
具体的には、①朝3時間②昼4時間③夜3時間は勉強時間を確保するようにしていました。
具体的なスケジュールは下記のとおりです。
勉強を継続する工夫として、毎週土曜日の21:00-21:30に勉強仲間と一緒にZoomde1週間の進捗会を行っていました。
また2時間勉強したら必ず休憩を入れるようにしていたため、そこまでの負担なく勉強を続けることが出来ました。
直前期のスケジュール
5月からは完全に仕事を休ませてもらい、公認会計士の試験勉強に専念させてもらいました。
そのため休日と同様に1日10時間の勉強時間を確保するようにしていました。
具体的なスケジュールは下記のとおりです。
論文式試験は会計学午後の受験時間が3時間のため、直前期には3時間区切りで勉強していました。
また休憩時間は散歩したり、勉強仲間と喋ったりとリフレッシュのために時間を使っていました。
論文式試験合格者の受験戦略
私の考える論文式試験の受験戦略の考え方は、「計算優先! 理解:暗記=1:9」です。
下記に受験戦略を科目ごとに紹介します(休日および直前期に行っていた戦略)。
会計学午前
会計学午前を原因とする合格者と不合格者の大きな差は、計算問題を解けるか否かです。
短答式試験の管理会計は暗記でカバーすることが出来ましたが、論文式試験の会計学午前では計算問題を解けないと勝負になりません。
そのため会計学午前の受験戦略は以下のようになります。
計算:論文対策集または答練の大問を1日4題解いていく
理論:論文対策集と答練の理論問題を1日4題解いていく(時間があればコンパクトサマリーを丸暗記)
会計学午前では、勉強を始めたばかりでも直前期でも計算に比重を置いて勉強を進めましょう。
また私の場合管理会計の計算問題は得意でしたが、会計学午前の計算問題は試験直前までD判定が出るほど苦手でした。
ただし本番では簡単な問題だけ解ければ受かるのでそこまで不安にならなくても大丈夫です(私は試験当日まで緊張がひどかったですが)
会計学午後
会計学午後を原因とする合格者と不合格者の大きな差は、第5問の連結問題を解けるか否かです。
第3問、第4問の計算問題、理論問題も差は付きやすいですが、合格/不合格の決め手は第5問の連結問題です。
そのため会計学午後の受験戦略は以下のようになります。
計算:論文対策講義のテキストの問題を1日10題する
理論:コンパクトサマリーを丸暗記する
会計学午後では、論文対策講義のテキストとコンパクトサマリーの2つのみを実施していても、計算も理論も偏差値52は軽く超えていくと思います。
企業法
企業法を原因とする合格者と不合格者の大きな差は、問題をこなした数です。
企業法の問題は一朝一夕で解けるようにはならず、日々の積み重ねでようやく問題の解き方の型に慣れていきます。
そのため企業法の受験戦略は以下のようになります。
理論:論文対策集の問題を1日2~4問ずつ解いていく
私の場合、企業法は勉強が点数に反映するまでに半年以上かかりました。
そのため受験生の皆様も点数が伸びなくても愚直に問題をこなしてください。
監査論
監査論を原因とする合格者と不合格者の大きな差は、暗記不足です。
監査論はどれだけ改定前文・重要論証を暗記できたかで結果が全く違います。
そのため監査論の受験戦略は以下のようになります。
理論:改定前文・重要論証の暗記、答練の復習
監査論は最後の最後まで不安が大きい科目です。
私も最後の答練で偏差値が42.06、判定もE判定でしたので不安で不安で試験当日まで焦っていました。 それでも最終的には偏差値52をきることなく、何とかなりますので緊張しすぎず頑張ってください。
経営学
経営学を原因とする合格者と不合格者の大きな差は、全範囲を網羅したか否かです。
経営学の内容は他の科目と比べて簡単ですが、量が多く、他の科目の勉強を優先した場合、全範囲の勉強・復習が終わらないという問題が起こりえます。
そのため経営学の受験戦略は以下のようになります。
計算:短答式試験合格発表後にすぐ取り掛かり、問題集を周回する(3周)
理論:問題集を周回する(3周)
経営学の内容は簡単ですが、量は多いので早めに始めておく方が無難です。
私の友達にも経営学を3月から始めた方がいますが、最後の最後まで経営学に時間を取られてしまい、他の科目に時間を割くことが出来ず、落ちてしまったという方を見てきました。
そのため内容は理解しなくてもいいので、3月末までに一通り全範囲を確認することをおすすめします。
租税法
租税法を原因とする合格者と不合格者の大きな差は、計算問題の反復量です。
租税法は法人税法、所得税法、消費税法があり、それぞれ計算方法・暗記の部分が異なります。
このことからそれぞれの税法を別物と捉え勉強を進める必要があるため、勉強時間が相当かかります。 一方で租税法の理論についてはほとんどの人が時間を掛けていないため、そこまで力を入れる必要はありません。
そのため租税法の受験戦略は以下のようになります。
計算:法人税法、所得税法、消費税法の各テキスト、個別問題集を毎日数題解いていく
理論:5月からでいいので答練の理論部分を復習していく
租税法の計算問題は税法ごとに計算の暗記する点が異なるため、計算問題の点数を伸ばすのに相当時間がかかります。
一方で理論はほとんど対策に時間を要しないため、1回目の模試までは計算問題のみに時間を投下すればよいと思います。
受験までのスケジュール
私が実際に論文式試験に合格した際の全般的なスケジュールは下記のとおりです。
9月から10月末まで
9月から10月末までの2か月間は連結の復習に時間を当てていました。
論文対策講義がまだ始まっていなかったので、連結の復習に時間を当てられたことは後々を考えると非常に良かったです。
もし前年の論文式試験の手ごたえが微妙だった人は連結の復習をすることをおすすめします。
ちなみに連結は山本先生の授業がめちゃくちゃ良いので是非見て頂ければと思います。
11月から12月末まで
11月から12月末までの2か月間は会計学午前・会計学午後の計算・理論の問題を反復していました。
この時期に会計学の基礎固めを行うことで、後々の勉強の際に不安を残すことなく、勉強を進めることが出来ました。
計算・理論ともに何周も何周も問題を繰り返すことをおすすめします。
この時期に会計学の不安要素を消しておくと、試験直前期の自分を非常に助けます。
1月から3月末まで
1月から3月末までは講義の視聴に時間を当てていました。
正直講義の視聴時間が多く、他のことに時間を当てる余裕がないので、1月までには苦手教科・不安のある教科の弱点をつぶしておくことをおすすめします。
また授業の復習をするように授業内で何度も言われますが、私の場合そんな余裕は無かったです。
そのため講義を受けていた科目の中で最も不安に感じていた監査論のみテキストを見返していました。
4月から5月末まで
4月から5月末までの2か月間は問題演習に時間を当てていました。
この期間にどれだけ問題を繰り返し解き続けたかで合否が分かれます。
また問題集でわからなかったところはすぐに講師の方に質問を行い、テキストに戻ることはやめましょう。
テキストを使って振り返るのはタイムロスが大きく、この時期はそこまで時間に余裕がありません。
6月から本番まで
6月から本番までは丸暗記に時間を当てていました。
この期間はテキスト・コンサマを内容を理解することなく、丸暗記することをおすすめします。
またこの期間に丸暗記の時間を取るために、計算問題に不安が残らないように6月より前に計算の反復練習を繰り返し行っておくことをおすすめします。
反省点
会計学午前の計算問題はもう少し色んな問題に当たっておいた方が良かったかもしれないと反省しています。
会計学午前の計算問題についてほとんど論文対策集しか解いていなかったため、少しひねった問題が出てきた際に全く解けないことが何度かありました。
そのため「計算の基礎の理解をもっとしっかりする」か「より色んな問題にあたるか」のどちらかをしておけばよかったと反省しています。
3章:まとめ
公認会計士試験はほんとうに、ほんとうに難易度の高い試験です。
そして論文式試験は約3分の1の方が受かるにしても、それは難しい短答式試験を突破してきた人の中での話です。
一方で私のような社会人でも、きちんと勉強すれば合格できるのも事実です。
そのため時間が無いこと・結果が出ないことを理由に諦めることはせず、最後まで粘り強く取り組んでください。 応援しています。
【答練・模試結果】